イラスト・漫画制作に!最強ツール、Wacom液タブとiPad Pro
今回の記事は、イラストレーションや漫画制作に必須のデジタルツール、液タブとiPad Proのお話です。
これからイラストにチャレンジしたい方、すでに板タブ(ペンタブレット)を使ってる方で、液晶に移行をお考えの方など、使用機器やツール、その使い心地などをご紹介したいと思います。
実際に使っているクリエイターと、メインツールでもあるCLIP STUDIOについてもご紹介します。
おすすめの商品 Wacom(ワコム)社の液晶タブレット
作業中画像の液晶タブレットは、現在、佳代さんが使っているもので、昨年購入した当時最新モデルのものでした。以前の液タブは故障のため、急遽購入しましたが、性能が上がってて使いやすいとの事です。
機種情報:Wacom Cintiq 22 DTK2260K0D 21.5型
▲作業している画面。22インチサイズですが、腕を乗せて描けるのが特徴。旧タイプと比べて、発熱も少なく反応も良いようです。
液タブは、中国製の数万円程度のものから、上記の10万円台のもの、最上位の32インチで40万円台のものがあります。また、中古品なども多く出回っているので、どれを選ぶのか、どのサイズやどこの製品を選ぶのか、始めて購入する人にはとても悩ましい問題です。
漫画やイラスト制作のデジタル化するにあたり、選択肢として挙げられるもの。
おおよその概算費用も掲載してみます。※価格はあくまでも私の個人調べです。
- 新品、ワコム製ペンタブレット(板タブ)……………………………2万〜3万円程度
※中古や廉価版なら数千円から。本格的に描くなら性能的に難あり。 - 新品、ワコム製液晶タブレット13インチ(小型)……………………7万円前後
- 新品、ワコム製液晶タブレット22インチ以上(中型〜大型)………10万〜12万円程度
- 新品、中国製液晶タブレット12インチ〜22インチ以上………………2万円台〜5万円台
※ペンはスタイラスペン(要充電)。性能は明らかにワコムより劣るが、使えない事もない。 - 中古品、ワコム製液晶タブレット13インチ(小型)…………………3万5千円〜5万円台
- 中古品、ワコム製液晶タブレット22インチ以上(中型〜大型)……7万円〜
- iPad Pro…………………………………………………中古で7万程度〜 新品で9万程度〜
※11インチと12インチがあり、描画には別途アップルペン1万数千円程度が必要。
※記事作成は2020年の情報です。現在は価格高騰の影響で値上がりしている可能性があります。
基本的に、性能は、ワコムの製品が明らかに良い。中国製のものは、スタイラスペン(電池式や充電式)を採用しており多少重たい。また、反応もワコム製品と比べてしまうと、見劣りしてしまうが、使えないという程ではない。選択肢に入れてもよいかと思います。
選択肢の多さから悩みどころでもありますが、予算と使用用途で選ぶことになりますね。
ワコム公式サイト https://www.wacom.com/ja-jp
おすすめのアプリケーション
タブレットを購入後に必要になるのが、専用のアプリケーションです。私のようなグラフィックデザイナーが使用する場合は、アドビフォトショップを使用する場合が多いのですが、かなり専門技術が必要になります。また、漫画(コミック・イラスト)専用の機能はフォトショップにはありません。そこで、漫画やイラストに特化したアプリケーションをご紹介します。
CLIP STUDIO PAINT クリップスタジオ ペイント
おすすめのアプリケーションといえば、クリップスタジオになります。国産のアプリケーションで、価格や使い勝手がとても良い。漫画制作に特価しており、吹き出しや効果線など、専用のツールが豊富で、WEB上から、背景や3D素材を購入し使用する事もできます。
画像処理としては、フォトショップのように使う事はできませんが、イラストや漫画制作には現状最高峰といっても良いかと思います。
価格は、●PRO版 一括払い ダウンロード5000円(税込) ●EX版 一括払い ダウンロード23000円(税込)
※上記のアプリケーションはPC専用となります。iPad版については下記に記載しています。
CLIP STUDIO https://www.clipstudio.net/
おすすめ商品 iPad Pro
前項のワコムタブレットをメイン機として使っているのですが、サブ機として使っているのが、iPad Pro です。※少し前の型になりますが、問題なく使っております。iPadとしての機能に加えて、専用アプリをインストールすれば、ワコムと同様、イラスト・漫画制作に使用できます。
その使い勝手は、アップルペンによるものが大きく、充電式ではありますが、そこまで重くなく、ペン先の反応もとても良いのでワコムのタブレットと同等に作業ができます。
実際に作業している佳代さんは、通常の作業に差し支えないとの事。ワコムの液晶タブレットはパソコンでの作業なので、メールやファイル管理、ブラウザでの情報収集や文字打ち等、デジタル作業の汎用性が高く、台座もしっかりしている点と、画面のサイズが大きいので、ワコムタブレットでの作業が効率的だとは言っています。iPad Proは、どこでも作業が出来る点が最も大きい長所と言えます。電源が確保出来ればメイン機としても十分に使えるものだと思います。
また、両方使用する人は、アプリケーションとしてCLIP STUDIOであれば、クラウド機能が利用出来るため、パソコン作業とiPad Pro作業をシームレスに行えます。作業後に同期さえしていれば、いつでもどこでも仕事が進められるという事ですね。
サイズに関しては、自宅で使っているiPad Air との比較画像を見ていただけばわかりますが、多少大きいので、PC用のリュックが必要になりますね。仕事の資料と一緒にバックに入れて外出先で仕事可能です。
また、アプリケーションについて、語らねばならい事があります。
CLIP STUDIO PAINT は、PC版とiPad版では、販売方法が違っており、価格も違います。
iPad版のCLIP STUDIOは、サブスクリプション(月額課金制)となっています。
EX版 月額980円 年額7800円
PRO版 月額480円 年額2800円
他、プランによる。
最低月額480円必要となり、PC版とは別で購入が必要となります。
今回は、選択肢としての情報をご提供させていただきましたが、液晶タブレットではなく、板タブでも十分に作業は可能ですし、CLIP STUDIO以外のツールも存在しています。実際に調べてみて、もっとも自分にあった選択をされるのが一番だと思います。
皆さんの使いたい用途と予算もありますので、じっくり検討してほしいと思います。
最後に実際に使用している佳代さん本人からのコメントです。
仕事部屋でのメイン機はwacomの液晶タブレットで作画をしていますが、豪雨や雷雨のときはPCでの作業をストップさせてしまうので、困っていました。クリエイターのTSUNEさんからiPad Proをおさがりで譲り受けてからはサブ機として、かなり助かっています!コロナウイルス拡大予防のために休校中の小学生の我が子をリビングでiPad Proで作画しながら、宿題しているかを見張れますし(笑)豪雨の時はiPad Proへと使い分けれて助かります。
wacom液タブの良さは、大きな画面で絵を拡大して細かい所まで描けるのと、アニメーター気分になれるので楽しいです(笑)最初は使ったこともない液タブに新品で高額なお金を出すことに躊躇して、2010年のタイプを中古で買って作画していました!ある程度使いこなせるようになったところで、2年ほどで壊れましたが、中古の良さはお試し期間と割り切れたと思います。そして2台目は、新品で購入しました。
どちらも作画には快適なので、生活スタイルに合わせるのも選択する目安になるかと思います。
編集後記
今回の記事は、学生さんや、これからデジタル化を考えている方からの相談が、もっとも多かった質問です。実際に使っている人に相談したいという人はけっこういるのだな〜、と思ったのがきっかけです。高額な買い物になりますので、じっくり吟味するも、商品サイトやメーカーの情報やレビューだけを見ても、なかなか説得力にかけるものですからね。
私も、Macintoshを使い始めてかれこれ27年になります。機材や道具は、実際に使ってこそわかる事は多く、購入するまで失敗する可能性があります。それを少しでも減らすことができれば、良い記事になったとのだと思えます。
また、明日もクリエイター向けの記事を考えて、発信していこうと思います。毎日更新で頑張っていますので、興味をもっていただきましたら、ぜひ、応援の声を頂けると嬉しいです。SNSで発信していますので、アクションお待ちしております。
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2023年11月追記
この記事は、2020年に作成したものですが、タブレットやipad、アプリケーションの情報は現在でも適用出来る内容です。ただし、掲載価格は変動することもあります。clip studioの利用料などは2023年時点で掲載金額に変更はありません。
ツール類のアップデートや新機能などが追加されています。
CLIP STUDIOは、以前よユーザー数も増え、現在国内での漫画制作では主流のツールとなっています。
海外ではまだ浸透しておらず、外国人はPhotoshopを利用するようです。
タブレット等のハード類に関しては、新品の購入時はおそらく全般的に10〜20%程度は値上がりしている可能性がありますが、中古市場などでは、新機種がどんどん中古市場に入る影響で、古い機種などは値段が下がっているものもあるかもしれません。
ただし、注意が必要なのはたブレットの液晶パネルのLEDの寿命が近づいているものがあり、修理に高額な費用がかかるため中古を購入する際はある程度のリスクを抱えていることを理解して購入する必要があります。
短期間に限定での利用として割り切って利用する場合などは安くて良い商品があるかと思います。また、液晶タブレットに関してはサイズに関しては大型ディスプレイのものでなくても、比較的小さめのものと使用感は変わらないようです。20インチ以上のものは高額になるので、13インチ程度のものでも良いかもしれません。プロの方でもそのぐらいのサイズのものを使用している人も多いようです。
また機会があれば内容を更新してまいります。引き続き記事を御覧ください。
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代表 大津山 倖雄
クリエイティブディレクター
アートディレクター
Webディレクション、イラストレーション他、専門学校講師
1973年生まれ。福岡市で広告企画・制作に携わり30年以上。大手広告代理店の下請け会社で、グラフィックデザイナーを経験。その後、福岡の制作会社や広告代理店勤務を経て、平成18年4月に退職し、19年には個人事務所として独立。同時期、福岡デザイン&テクノロジー専門学校(旧 福岡コニュニケーションアート専門学校)にて講師契約。現在は、グラフィックデザイン、イラストレーション、WEBデザイン、WEBマーケティングに携わり、様々なクリエイターと共に制作を中心に業務を行っている。