ポートフォリオ[作品集]の必要性と作り方を解説
今日はポートフォリオ、いわゆる作品集の話ですが、実際に作ったことのある人はどのぐらいいるでしょうか。
一般的な職業ではあまり必要にならないものですが、クリエイティブ関係の学校に入ると、授業課題として作らされたという人は多いと思います。
就職活動で利用するポートフォリオは、A4サイズのファイルケースにプロフィールや作品を挟み込んで作るのが一般的ですね。
今回は、職業や業界などの事は全く考えず、ただ、作品集の良し悪しと、作り方や注意点などの話をしたいと思います。
また、フリーランスや副業等でクリエイティブ系の仕事を受注する場合も、実績がものを言います。
クリエイターの実績は、その人が作り出したもの自体が実績になり、もっとも相手につたわるツールです。就職活動以外の場面でも活用できます。
また、今回はカラー出力や印刷した冊子タイプのポートフォリオの話が中心ですが、現在はWEB上で簡単に作成できるポートフォリオサービスもあります。後半ではWEB関連の話も入れたいと思います。
ポートフォリオの有用性について
まず、何故ポートフォリオを作る必要があるのか。それを理解しなければ意味がありませんね。
その有用性の話をしたいと思います。ポートフォリ[作品集]は、モノづくりをする人が、会社や仕事相手に自分の実績や技術をアピールするために、作品をファイリングしたものです。
私も学生時代は、ファイルケースに自分で作った課題等の作品を入れて就職活動に活かした記憶があります。
あまりにも昔の事ですのであまり覚えていませんが、今思えば学生時代の作品集など、到底人に見せられるレベルのものでなかった記憶があります(笑)
作品集は自分の技術を見せるためのものです。そのため、技術の低い人や作品が無い人はあまり効果は期待できません。
しかし、作品集のフォーマット(雛形)を作ることで、どんな作品がどれだけ必要なのかイメージがつきます。
また、同じような作品ばかりにならず、様々な種類の作品をバランスよく作る道筋が出来て、作り始めるきっかけになる場合があります。
まだ、仕事を始める前の学生さんや初心者レベルの方は、ポートフォリオ用に作品を作り出す前に、まず“作品集(フォーマット)”を作ってみるのも意味があるのかもしれません。
実際クリエイティブ職の就職には、学歴や履歴書より完成度の高い作品集が活躍する場面が多く見られます。
また、ポートフォリオは“一般職を目指す学生さん”の就職活動にも有用です。
例えばWEBサイトやブログパーツ、ロゴマーク、ラインスタンプなどは、一般の会社でも興味を持っていただける可能性があります。ある程度完成度の高いものであれば掲載しても良いかも知れません。
プロのクリエイターになっても、ポートフォリオは重要です。
過去の実績をまとめたファイルは、転職や新規顧客の開拓、営業活動など幅広く活用できます。
当然ポートフォリオサイトなどを作成するのも大変意味があることです。
このアド・クリップのホームページも元々は私のポートフォリオサイトを、何度もリニューアルしてこうなりました。
ポートフォリオはページ構成が大切
ページ構成というと難しいイメージがありますが、紙に鉛筆で簡単に書いてみると色々と完成イメージが見えてきて、上手く作ることが出来るかも知れません。
ポートフォリオ構成案の作り方
表紙やプロフィールページ、扉、作品ページを入れる箇所について。
ページを見開きで見れる所とページが分かれてしまう部分がありますので、作り始める前に構成案を作成しておくと便利です。
図1
表紙、プロフィール、扉、作品ページなどを、どこに何ページ入れるのかを決めます。
また、見開き(2ページ分両ページが開いている状態)で構成を考えます。
見開きは、左右のページが見られる状態です。そして次のページは、必ずめくる事になります。
数ページにわたる作品を掲載する場合は、出来るだけ見開きでバランスよく見えるように構成を考えます。
上記の図1のように構成を考えてから、作品の準備に取り掛かると良いでしょう。
図2
図2は、実際に構成を考えた見本になります。
表のようにきれいに作成する必要は無く、紙に鉛筆で描いたもので十分です。
私の場合は、さらに、上記のページネーションの中に、簡単なレイアウトのサムネイル(小さなラフ)も一緒に書き込んでしまう場合もあり、冊子制作の打ち合わせにも利用しています。
ポートフォリオも、作り方は冊子と同じですね。
まずフォーマットを作る
フォーマットを作成します。フォーマットとは、デザインの雛形です。
この雛形に情報を入力していきながら、制作をすすめます。
最低、表紙、プロフィール、扉、作品ページ、の4ページを作成します。
上記フォーマットのPDFファイルは、下記よりダウンロード出来ます。
ダウンロードしたPDFファイルは、AdobeIllustrator(アドビイラストレーター)で開けば、編集可能です。
Illustratorを持っている人は、自分の好きなようにカスタマイズして下さい。
具体的な制作ツール等について
実制作にあたり、レイアウトはどんなツールを使っても良いのですが、一般的にはMicrosoft PowerPoint(パワーポイント)で作成するのが最も簡単です。パワーポイントは一般的なツールでもありますので、実用的とも言えます。
画像の加工や処理はフリーソフト等で行うと良いでしょう。[フォトピー Photopra]
また、AdobeIllustrator(アドビイラストレーター)を利用できる場合は、下記の図のように、アートボードでページ編集すれば、まとめてプリントしたり、PDFの統合ファイルとして便利なポートフォリオファイルを作成できます。
アド・クリップの作品集(一部抜粋)を参考にアップローロしています。
作成したポートフォリオは、上記のように、データをアップロードしていれば、メールの署名欄に入れておいたり、名刺にQRコードでいれておく事も可能です。
レイアウトやデザインには、背景素材等のフリー素材を活用すれば、ある程度完成度の高いデザインに仕上がります。
文字サイズやバランスは、一度プリントアウトし、それを見ながら調整することでブラッシュアップ(完成度を上げる作業)出来ます。
ポートフォリオのWEBサービス
SNSなどのWEBメディアが発達している現在では、ポートフォリオをWEB上で閲覧するのは、一般的になっています。
上記ののような冊子タイプのものは、実際に面談で話す際に役に立ちますが、遠隔での面談も増えている現在ではWEB上で見れるポートフォリオはとても便利ですね。
自分で、WordPress等を操りポートフォリオサイトを立ち上げられる人はいいのですが、それもなかなか難しい場合は、SNSや様々なWEBサービスを活用するといいですね。
SNSの活用
ポートフォリオは、実績を紹介するものですので、お仕事をする場合は本名やできるだけ信憑性の高い情報開示が必要になります。
そういった点でも、SNSの活用は躊躇する場合もあります。
なので、比較的実名性の高いサービスがおすすめになります。
Facebookは、実名性も高くビジネスにも活用されている一般的なSNSといえます。
インスタグラムやTwitter(X)は、不特定多数の参加が一般的なので、Facebookにできるだけ実績となる情報を掲載するのもいいかもしれません。
しかし、Facebookも会員同士の交流を目的に作られたもののため、WEB上ではFacebook会員以外では閲覧が制限されてしまう欠点もあります。
LinkedIn(リンクトイン)がおすすめです。
LinkedInは、ビジネス上の外部との交流を目的に作られたSNSのため、外部の人達も自由に閲覧できるようです。
自分のプロフィールページも充実しているのでおすすめかも知れません。(私は利用していないので皆さんは自らご確認下さい)
専用のWEBサービス
SNSの問題を払拭したサービスがあります。ポートフォリオサービスです。
https://www.foriio.com/ forlio フォリオ というサービスです。
forlio等簡単にポートフォリオを作れるツールはほかにもあります。主に無料でホームページが作れるツールは、ポーフォトリオサイト作成にうってつけかもしれません。
非常に簡単に作成自体はできるので、紙のポートフォリオの他、WEBで閲覧できるようにしておく事も有効だと思います。
編集後記
今回の記事は、作品集(ポートフォリオ)についてのテーマでしたが、実際に作るとなると、それなりの手間もかかりますが、“有る”と“無い”とでは全く印象が違ってきます。
是非チャレンジしてみて下さい。
毎日ブログ更新を始めてしばらく経過しましたが、昼間の仕事が忙しい時などは、その日の記事の更新作業が遅くなってしまうという事が頻発しています。
なんとかその日のうちにとこだわり頑張っていますが、何を頑張っているのか時々わからなくなってしまう事もあります(笑)
やはり続けていくには、普通の日々の出来事を書いた日記としての簡単な記事と、クリエイティブ系のボリュームのある記事で、緩急つけて更新していこうと考えてはいますが、記事を書いていると、あれもこれもと、だんだん長くなってしまいますね。
コンテンツマーケティングは“継続が力”です。自分のペースを探してなんとがやっていきます。
こうしたら良い、などのアドバイスも頂けると助かります。何でも良いのでリアクションをいただけると嬉しいです。毎日更新中のブログは、毎回SNSでお知らせしています。良ければTwitterやFacebookで“いいね”など頂ければ幸いです。
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代表 大津山 倖雄
クリエイティブディレクター
アートディレクター
Webディレクション、イラストレーション他、専門学校講師
1973年生まれ。福岡市で広告企画・制作に携わり30年以上。大手広告代理店の下請け会社で、グラフィックデザイナーを経験。その後、福岡の制作会社や広告代理店勤務を経て、平成18年4月に退職し、19年には個人事務所として独立。同時期、福岡デザイン&テクノロジー専門学校(旧 福岡コニュニケーションアート専門学校)にて講師契約。現在は、グラフィックデザイン、イラストレーション、WEBデザイン、WEBマーケティングに携わり、様々なクリエイターと共に制作を中心に業務を行っている。